urimimuの日記

2014年  読書記録+X

2016年の始まりは・・・インディオの気まぐれな魂

しばらく読書日記をつけなかったのは、何か理由があるわけでもなく、1~2冊書かないと何となく過ぎて行ってしまうものだ。

今年の正月に、息子に「昨年読んだ本でお勧めある?」と聞かれ・・・「・・・」

あったはずなのにさっと作品名が浮かんでこず、やっぱり読書ブログを書こうと。

今年最初の本は、「インディオの気まぐれな魂」。

これは、甥が翻訳した作品で、姉から聞いてぜひ読んでみたいものだと思ってはいたが、彼の最初の翻訳作品が、専門的で、難しかったので、これを専門外の自分に読みこなせるのだろうかと周りの反応を待っていた。何しろわが身うちでは話題になっていたので、誰か何か言うだろう・・と思っていたのだが、新聞の書評が、なかなか良いというような情報は入ってきても、読後の感想は入ってこず・・ということでやっと読む決意をした。

結果としては、1日で読んだしまった。

まず、原書が興味深い内容だろう事。

翻訳が簡潔で、読みやすい事。

解説が、静かだが、若い訳者の熱を感じる心地良いものだった事。

なので、学術的な難かしい用語がありつつも、読みたい気持ちで一気に行ったのだろう。

本書で取り上げられている、「インディオへのキリスト教の伝道」「気まぐれな魂の扱い」「悪習慣の放棄」等々は日本人である私たちには、時間も環境もかけ離れ異なる次元の話のようだけれども、何年たっても1%のクリスチャンしかいないこの日本の1クリスチャンの自分には、表面的には異なるようでも、底には同じ問題が流れているように思う。良い習慣、悪習慣どちらであろうとも、それをする人には理由がある。それが個人としてだけではなく、集団へと広がっていくと更に堅固なものとなる。それを変換するには、今よりもっと良くなる利得心か、今のままでいると大変なことになるという恐怖心を煽るかだ。よく聞く話である。

甥に送った感想は

昨日一日で一気に読みました。原作の内容が良いであろうこと。翻訳の簡潔な日本語。門外漢の私でもどんどん読めました。、、、くどい訳や、センスのない文章だと読むのに疲れて、リズムが取れずに、どんどん読めないのよね~。解説も読んでいてわかりやすく「へ―そうなんだ」などと言いながら読みました。翻訳だと自分の意見を言うわけにもいかないけれど、解説には宏君の情熱を感じました。それこそ読み人に語り掛けるような、、。特に207~209ページは厚い魂のこもった良いメッセージだと感動しました。「人類学の役割とは、他社の世界を説明することではなく、我々の世界を多元的にすることである」という著者の言葉の引用は人類学をぐっと身近にしてくれました。というのは今私が生きていて感じたりしていることと、驚くほど遠くない!!と感じながらだから一気に読めたんだと思うの。細かい感想や質問したい事もあるけれど、またの機会に取っておきます。良い作品をありがとう。次作も期待します。

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