urimimuの日記

2014年  読書記録+X

17-◎ 精神性の柱を持つために・・新島襄がしたこと。

 

現代語で読む新島襄

現代語で読む新島襄

 

 今年の明治シリーズ・・・。「八重の桜」で知った新島襄。国禁を犯してまでもアメリカに渡り、その心には、日本のために働くという志があり、キリスト教が日本の柱となる精神のために必要だと、キリスト教の大学「同志社」を作るために奔走する。この時にほんにはまだ、帝国大学しかなかったのに・・・だ。彼の志を支えた人々への手紙には、「物乞いしてでも・・・」と。また、勝海舟が彼の計画に対して「それを実現するにはどれくらいかかるのか?」と聞いたとき、「300年はかかるでしょう」とこたえたという。勝海舟はそれを聞いて、彼を信頼したという。「そのくらいかかるから、今始めなければ・・・」彼の日本に対する、切羽詰った思いが感じられる言葉だ。彼は決して有能な教師ではなかったらしいし、健康にも恵まれていなかった。お金はない。「それがどうした!」とでも言うように、神への信仰と日本への熱い思い、それがひしひしと伝わる書簡集だった。同志社大学ができて約150年。新島襄の志を伝えるために、若い人々にも読めるように現代語で翻訳され出版されたこの本は、彼が危惧していたように精神性の柱を持たない日本人の迷走に対して、また、現在の行動しないキリスト教会への投げかけになったいると思う。勿論私を含めて。