45◎ 物語の世界へスッと入って行ける・・
本当にホッとする。本物の仕事を読んだって感じ。
著者の姿の見えない物語の世界へ私が入っていく。誰にも邪魔されないで自由に感じ、触れる世界。
こんなこと考えた事は今まで無かったけれど、この前に読んだ本のおかげで、自分の読書の世界観に気づいた感じがする。(いつも思うけど、どうであれ、無駄は無い)
私も仕事柄「本物のプロフェッショナルになりたい」と思うのだけれど、自分がやるのだが、自分を押し付けるのはもってのほか。如何に自分を消すことができるのかが分かれ目。自我との戦いだ。
山本周五郎の世界は、今を生きる人から見ると、江戸時代だから?、下町だから?小説だから?と現代の世界ではできなくて当たり前、と言うように逃げることもできる。でも、時代を超えて、場所を越えて心の中にあることはそう変わるものではないと思う。
やさしさは強さという木の幹であり、思いやりはそこに咲く花だ。
彼の作品にはそれを感じる。